てんかん専門医ガイドブック(改訂第2版)
てんかんにかかわる医師のための基本知識
日本てんかん学会編集 診断と治療社
てんかんに関する様々な情報を、Ⅰ総論、Ⅱ各論に分けて詳細に説明する専門書です。
はじめから通読するよりは、辞書のように知りたいときに関係部を読むのが良いと思います。
Ⅰ総論
てんかんの疫学・分類
てんかんとはどのような病気で、どのような症状を伴うのかを説明しています。
てんかんの原因・病態生理
てんかん発症のメカニズムなどを説明しています。
てんかんの診断
患者の年齢毎、発作の症状毎に、診断のポイントなどを説明しています。
てんかんの検査
てんかんの診断をする際の検査の種類と検査結果について詳細に説明しています。
特に検査の種類・結果について、詳細に分類・説明しています。
神経画像(MRI・CT)と機能画像(SPECT・PETなど)についても詳細に説明しています。
てんかんの治療
薬物治療と外科的治療について説明しています。
抗てんかん薬の種類ごとに、代謝部位やそれぞれの相互作用、副作用について詳細に説明しています。
小児・成人・妊娠適齢期・高齢者の年代別の薬物治療について説明しています。
手術が可能なてんかんについて説明しています。
治療にあたっての医療連携・体制・社会生活について説明しています。
Ⅱ各論
新生児・乳児てんかん、小児てんかん、青年期てんかん、焦点てんかん、遺伝子異常等によるてんかん・特殊てんかんに分類してそれぞれ詳細に説明しています。
私は海馬効果をともなう内側側頭葉てんかんなのですが、その部分だけでも熟読して診察していただくと、お医者様の説明がよく理解できます。
外科治療・特殊治療では、手術可能なてんかんについて説明されています。
抗てんかん薬による薬物治療でよい結果が得られなかった場合にも外科的手術の可能性があることがわかります。
私の場合も外科的治療の可能性があることがわかりましたが、左右両方の海馬硬化を伴う側頭葉てんかんでは左右どちらかの片側のみ外科的治療可能であることがわかりました。
てんかんでみられる精神症状と心理学的課題では、てんかんに併存する精神障害について説明されています。
また、抗てんかん薬の服用による精神症状についても説明されています。
全般的に専門的に説明されている図書です。知りたいことはほとんど網羅されていると思います。
自分の症例にあった個所を熟読して、診察や治療の方針検討するのによい図書と思います。
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